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韓国人が毎日お伝えする
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全世界でも治安が良い方である韓国。

お酒を飲んで夜遅くに出歩くことや、女性一人で暗い道を歩いていても安全な国として知られています。 

ですが、実質的には韓国の犯罪率を見ればそれほど低い数値ではないことが分かります  

今回は韓国の犯罪率と犯罪に関連する韓国の制度、そして韓国を衝撃の渦に巻きこんだ凶悪犯罪事件まで韓国の犯罪に対する情報を皆さんにお伝えしたいと思います。

加えて、衝撃的な犯罪事件を紹介しながらこれをモチーフにして制作された韓国の犯罪映画もご紹介しますので参考にしてみてください。

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韓国の犯罪率

韓国の刑法犯罪率統計(出典：E나라지표 )

犯罪率は人口10万人あたりに報告された刑法犯罪件数として社会の安全水準と治安状態を表す指標です。

韓国の犯罪率は過去30年間で約2倍以上増加しています  

1981年、人口10万人あたり935件から1991年558件まで減りましたが、2000年代以降には急激に増加しました。

この時期の犯罪率が急増したのには、以前まで特別犯罪に属していた経済犯罪、暴力行為、性暴力犯罪などが刑法犯罪に含まれるようになったことが影響していると見ることができます。

以降2018年には1,195件の犯罪が報告されました。

 韓国の刑法犯罪率統計(出典： E나라지표 )

刑法犯罪に含まれる殺人、強盗、性暴力、暴行、窃盗のような主要犯罪の推移を見ると2000～2018年の間に、韓国で強盗は１/7水準で減り、殺人は最近若干減少しました。

ですが同じ期間で性暴力(強姦を含む)は4.2倍、暴行は8.9倍増加したことが分かります。

한국의 살인범죄율 통계 (출처 : E나라지표)　韓国の殺人犯罪率統計(出典： E나라지표 )

国ごとに犯罪の規定や集計方式が違うため、国家間の犯罪発生率を正確に比較するには難しいです。

ですが殺人は大部分の国家で似たような基準を持っているので殺人犯罪率を通して韓国の犯罪発生水準を他の国と比較することができるのですが、

この基準で集計した韓国の殺人犯罪率は2018年基準で人口10万人あたり0.6件として国際的にも低い方でした。ですが隣の国の日本の0.2件に比べると2倍以上高い水準でした。

2020年 世界犯罪指数

他の国と安全指数を比較する統計を見ると、韓国は犯罪指数28.02、安全指数71.98で、全世界24位を占めましたが、

この統計の上位圏に入る台湾(犯罪指数15.65、安全指数84.35)、日本(安全指数20.66、安全指数79.34)などと比べると世界的には低い順位だといえます。

韓国の死刑制度

韓国の死刑制度は法律的にまだ存在しています

2009年、国政監査にて提出された法務部の資料によると、韓国政府は1949年7月14日、殺人罪で死刑判定されたあと、1997年12月30日まで920名すべてに死刑を執行したといいます。

ですが韓国で一番最近死刑が執行された日にちは1997年12月30日です。以降2007年12月には10年以上死刑が執行されずに、国際赦免(しゃめん)委員会によって、「実質的死刑廃止国」に分類されました。

死刑判決は法的に存在しますが、死刑執行はしない韓国。

2009年の資料によると、無期懲役囚の中で1番長く服役している者は1982年から27年間服役していることが分かりました。

25年間が1名、24年間が5名、23年間が9名です。

これらを含め、死刑宣告を受けてから20年以上服役している無期懲役囚は74名にも及ぶといいます。

一番最近にあった死刑判決は、2015年の事件でした。

2015年8月28日、配管工に偽装して元彼女の両親を殺害し、さらに元彼女を性暴行した犯罪者チャン・ジェジン(25)に対して死刑を宣告したことです。

殺された人数は2名として他の死刑犯が殺害した人数よりは少ないですが、計画犯罪であった点、社会に大きな衝撃を与えた点、などを考慮して死刑宣告を下したといいます。

このように韓国では罪質がひどい場合や、衝撃的な犯罪者に対して死刑宣告を下しています。

犯罪者の人権問題で多くの先進国では死刑制度の廃止が行われている最近、韓国でも死刑制度廃止に対する多くの声が出てきています。

2008年と2009年に韓国の国会で死刑制度廃止に対する法案が提出されました。

これは1997年12月30日に最後の死刑執行があった以降、10年以上死刑を執行せずにいる状態で、国際人権団体である「AMNESTY(アムネスティ)」から”実質的死刑廃止国”と分類され、事実上「사문화(死文化)」になったことが理由でした。

ですが、韓国の憲法裁判所は死刑制度に対して犯罪者から他の命を守るための不可避な手段の選択だと判決し、死刑制度をそのまま維持することを決めました。

以降、現在まで韓国では死刑執行は無いですが、制度は維持されている状態です。

韓国の証拠確認手順、現場検証

韓国では殺人、強姦などの強力犯罪の中でも特に凶悪な犯罪に対して現場検証を行います。

現場検証をする理由は、凶悪犯罪の被疑者たちが犯行に対して自白したときにこれに対する現場証拠を探すため実行されたり、疑いの状況があるときに実行されます。

2016年に実行されたバラバラ殺人犯”チョ・ソンホ”の現場検証の様子。同性の恋人をバラバラ殺人した後に遺棄した様子を再現しています。

現場検証は、警察が同行したまま犯人が実際に犯行した場所で、その時の過程を再度演じる手順を記者や一般人に公開されるかたちで行われてきました。

そうしてみると、現場検証を見ている市民から悪口や物が被疑者に飛んでくるなど、被疑者の人権を侵害する行為が起こる場合があるのですが、そういう場合、警察官などが被疑者の人権保護のためにこれらを防ぎ止める姿もよく見られます。

たとえ残酷な犯罪を犯した犯人でも、法のために明示されている遵守事項なのです。

2018年に施行された”고00”の現場検証姿。自分の娘を虐待し暴行を加え殺害した後に山に遺棄した様子を再現している。

近年、2018年以降から韓国では現場検証が徐々に縮小されており、人々の間で大きな衝撃になった強力犯罪を除いては現場検証を非公開で行われるか、または行わないようになっています。

ですがこれからも韓国では現場検証が、被疑者の犯罪行為の証拠を収集し、被疑者の陳述に対する疑わしい点を現場を通して解消するのに重要な役割を果たすことでしょう。

韓国を衝撃の渦に巻き込んだ事件5つ

残酷で衝撃的な韓国の強力犯罪事件5つをご紹介します。

そしてその事件らをもとに制作された映画も一緒にご紹介するので、気になる方はこの記事を見た後に見るとより理解が深まるかと思います。

1. 華城連続殺人事件 (1986年~1991年)

この事件は1986年9月19日、京畿道華城(ファソン)市で71歳の老人の下半身が脱がされていて、首を絞め殺害された状態で発見されたのが始まりでした。

以降、1986年に2回、1987年(3回)、1988年(2回)、1990年と1991年に１回ずつ、全部で10回に渡って不特定多数の女性10人が強姦殺害されたのですが、事件はすべて태안읍(テアンウプ)という地域で半径2ｋｍ以内で起きました。

韓国で発生した初の連続殺人事件として、時間がたっても事件の手がかりが掴めずに全国民の関心を集め、警察もこの事件を解決しようと努力しました。

そこで総勢180万人もの警察が動員され、3000人にあたる容疑者が調査を受けたにも関わらず、犯人は検挙されないまま未解決事件として残っていましたが、、、。

当時公開された犯人の似顔絵と実際のイ・チュンジェの姿

なんと2019年9月に釜山刑務所で服役中のイ・チュンジェのDNAと連続殺人事件の証拠品から確保された犯人のDNAが一致したことが確認されたのです。

犯人であるイ・チュンジェは1994年、弟の妻を性暴行したあと殺害した容疑で無期懲役を宣告され服役中でした。

そこで警察官の対面調査を通してイ・チュンジェは連続殺人事件はすべて自分の犯行で、この事件以外にも14件もの殺人と、34件の性犯罪を犯したと自白しました。

2020年7月、警察は被害者の遺品から検出されたDNAまたは犯人の自白などをもとに、14件の殺人事件と9件の性犯罪がイ・チュンジェの犯行によるものだと確認しましたが、公訴時効満了により容疑に対する処罰は実現されないまま捜査が終えられることとなりました。

警察は、イ・チュンジェのサイコパス傾向が明らかで、自身の欲求や不満を解消するために女性を性的道具化し、犯行に及んだと判断しました。

実話をもとに作られた映画

<살인의 추억 (日本題：殺人の追憶)/2003年>

• 出演 : ソン・ガンホ, キム・サンギョン
• 監督 : ポン・ジュノ
• 時間 :  132分

2. カエル少年事件(1991年) - 未解決事件

被害にあった子どもたちを見つけるためにチラシ配りをする両親たちの姿

1991年、大邱に住む5人の小学生がサンショウウオの卵を拾いに行くと家を出たまま失踪した後、11年6か月経って2002年9月に遺骨として発見された事件です。

臨時公休日という理由で学校に行かなかった子どもたちは、와륭산(ワリュン山)に上る前に近隣の村に住む学校の友達と村の住民たちに目撃されたのを最後にどこを探しても見つけることができませんでした。

子どもたちを見つけるための表示板とポスター
「必ず戻ってきて」という言葉が刻まれている

子どもたちが失踪してから両親たちは、すべてを懸けて全国を探し回り、国家的にも子供たちを発見するために「カエル少年」を主題に映画と歌を作るなどに取り組みました。また全国の小学生たちは「大邱カエル少年を探す運動」を広げるなどの努力もしました。

当時の大統領の特別指示と懸賞金4200万ウォン、当時最高の人員である延べ人数35万人もの捜査員を投入したにもかかわらず発見することができませんでした。

少年たちが発見された野山で追悼をしている警察庁長官の姿

そうした中、失踪から11年6か月経った2002年9月26日、４体の遺骨と、５足のスニーカーが大邱市にある工事現場から500ｍ離れた와륭산(ワリュン山) の中腹で発見されました。

解剖を任された法医学チームは鑑定の結果、明白な他殺だと結論を下した以降は捜査に進展がなく、遺骨が縛られている様子から計画犯罪だったか、関連専門職の従事者だろうという推測だけ残して現在までカエル少年事件は未解決のままとなっています。

両親たちの気持ちを思うと、未解決という結果は本当に胸が苦しいです。

3. 光州インファ学校事件 (2000~2005年)

光州(クァンジュ)にある聴覚障がい特殊学校「インファ学校」の創立者または学校関係者たちが2000年から学生たちを対象に犯した性暴力事件です。

学校長と行政室長は一部学生を性暴行し、犯罪発生から5年が過ぎた2005年までこの事実を隠していました。

これはインファ学校の創立者であり理事長の息子が校長と行政室長を務めていたこともちろん、妻の弟や兄弟の嫁などの親戚が勤労施設長、インファ院長などの法人と学校の重要な役職を家族経営で独占していたからです。

映画「トガニ～幼き瞳の告発～」 

政室長を2005年6月、インファ学校のある職員が障がい者性暴力相談所へこの事実を伝え、警察の捜査がはじまりました。

加害者に対しての捜査と裁判が進行されているあいだ、市民団体と保護者たちで組まれた性暴力対策委員会は断髪デモや座り込みデモを起こし事件の解決を積極的に促しました。

その後、インファ学校性暴力事件の被告である5名のうち1名が無罪、2名は執行猶予、残り2名は6～8か月の懲役刑という軽い処罰が下されることとなりました。

この事件は、日本題「トガニ～幼き瞳の告発」という映画が公開されたため世界に知れることとなり、すべての韓国人に怒りを与えました。

これに対し、2011年、児童・障がい者の性暴力犯罪に対する処罰を強化する特例法、別名「トガニ法」として改正されました。

以降、インファ学校は2012年に廃校となりました。

4. ユ・ヨンチョル連続殺人事件 (2003~2004年)

검거 후 기자들 앞에서 "여성들은 함부로 몸 놀리지 말고 부유층은 각성하라."고 말하는 유영철
検挙後、記者たちの前で「女性たちはむやみに体を冷やかさずに、富裕層は覚醒しろ」と発言するユ・ヨンチョル

この事件は、殺人犯ユ・ヨンチョルが富裕層に対しての不満と離婚後に感じた女性への嫌悪症のために20人に及ぶ富裕層の老人や女性たちをハンマーや刃物を使い残酷な方法で連続殺人した事件です。

ユ・ヨンチョルは1991年に結婚し、2002年に離婚を経験した後から女性に対する嫌悪症を発生したことがわかっています。

1993～1995年までは、てんかん症状のため病院で治療を受けており、2003年11月には前科者、離婚歴のある男性という事実が分かった当時の交際相手の女性から絶交されることもありました。

このようないろんな要因が重なって、1990年半ばから漠然とした復讐心を持つようになり、これが連続殺人事件につながったと専門家は推測しています。

映画「チェイサー 」

最初の殺人事件は、2003年9月ソウル江南区にある単独住宅で教授夫婦を殺害したことでした。これ以降2014年7月まで、20人もの人々を相次いで殺害していったのですが、公式的に確認された数字だけで20人となっています。

殺害の対象は主に富裕層の老人と女性で、ユ・ヨンチョルの犯行手法は果敢でありながら緻密でほとんど痕跡を残さなかったといいます。

道具は自信が直接作ったハンマーや刃物などを利用して、証拠をなくすためにわざと火をつけたり、死体をバラバラにして野山に埋めたりもしたといいます。

また、被害者の身元を知られないために、殺害した女性の指紋を凶器でえぐるなどのあらゆる残酷な方法で犯行に及びました。

実話をもとに作られた映画
 <추격자(日本題：チェイサー/2008年)>

5. チョ・ドゥスン事件(2008年)

映画「ソウォン/願い」

2008年12月京畿道 安山(アンサン)市でチョ・ドゥスンという人物が8歳の女児を性暴力し、一生残る障害を負わせたとても痛ましい事件が起きました。 

被疑者のチョ・ドゥスンは当時、登校中の8歳の女児に教会に通わなければならないと誘引し、教会内のトイレに連れ込んで強姦したのち大きな傷害を負わせました。

このせいで被害者は臓器の一部が体の外に出てしまうくらいのひどい損傷を負うことになった本当におぞましい事件です。

警察の調査で「幼い子どもがどうせ将来経験することだから事前に体験してみるのはどうだろうと思った」と発言するチョ・ドゥスン

その後、裁判の結果チョ・ドゥスンは事件当時に酒に酔っており、心身微弱の状態にあったために12年の刑で確定し、この犯罪の残酷性に比べて刑が軽すぎると激しい反発を浴びました。

恐ろしい事に、チョ・ドゥスンは2020年12月13日に出所しました。

チョ・ドゥスンの犯行中の姿と、最近の刑務所で過ごす姿

2017年9月6日韓国で「チョ・ドゥスン出所反対」の請願が起こり61万5000人もの同意まで受けましたが、残念なことに出訴して今では平然と韓国国内で暮らしてるのです。

出所後の7年間は電子腕輪を着用しなければならなく、居住地や写真などの身元情報は出所後5年間は韓国の性犯罪者情報公開システムである「성범죄자 알림e(性犯罪者お知らせe)」という性犯罪者を知らせるサイトに公開されます。

チョ・ドゥスンは出所後、既存の居住地域であった安山市に帰りました。カフェを開きたいなどと言っていましたが当然叶わず、住民たちに恐れられていて周辺地域では子供が外で遊ぶ姿が確認できないほどだそうです。

考えるだけで恐ろしく、憤りを隠せない程本当に腹立たしく許せません。

実話をもとに作られた映画
 <소원(日本題：ソウォン/願い 2013年)>

• 出演 : ソル・ギョング、オム・ジウォン、イ・レ
• 監督 : イ・ジュニク
• 時間 : 122分

ここまで、韓国の犯罪についてお伝えしました。

この記事を書きながら重い気持ちになりましたし、映画を見たときも衝撃を受けました。

ですがこのような事件があったことを知ることは大切だと思います。

皆さんのなかで知りたいと思った方がいらっしゃいましたら、映画で学んでみてください。

ここまで、韓国の犯罪の記事でした。お問い合わせ事項がある場合、本ブログ記事のコメント欄にご記入いただくか、help@creatrip.com までメールもしくは、公式ライン@creatripまでメッセージを送ってください。